Vol.10
Graphic Design Duo Hjarta Smarta from Sweden
スウェーデンのデザインとイラスレーションの関係は、とてもオープンな関係にあり、近頃ではロンドンでもデザインが進化した新しいイラストレーションが盛んになっています。
今回は、ロンドンよりもっと日本文化に近いスウェーデンの実力二人組アーティストをご紹介します。
1) 2001年にヒャータ・スマータを創立したということですが、どのようにこのチームとなったのでしょうか?

私達はストックホルムのグラフィックデザインの学校でのクラスメイトでした。グラフィックデザインに対して同じ視点を持っていて、互いに気が合い、何か面白いことをしようと思い、学校での課題も一緒に作成するようになりました。卒業制作も一緒にしました。街で見つけたグラフィティや落書きで制作された壁紙が、一見してクラシックなパターンとなりました。この壁紙はとても注目を集めたので、製品化することにしました。これにより、私達の最初のクライアントを獲得し、ヒャータ・スマータの出発点となりました。
2) ヒャータ・スマータとはどういう意味でしょうか?
英語では、Heart and Sorrow/Pain(心と悲しみ/苦しみ)という意味です。スウェーデン語ですが、いくつかの言語においてそれは韻を踏む言葉です。例えば. Coeur Douleur(フランス語)、Hertz Schmerz(ドイツ語)となります。この名前は、私達がまだ学生だった頃、日本に行きました。日本で「やり過ぎ」とか「あまりに陳腐」という印象を受けたので、時にして少し皮肉って使用される、典型的スウェーデン語の表現を私たちの名前にしました。

ヒャータ・スマータ・ネオンの文字および「Ooo」のインスタレーション
ヒャータ・スマータは、ストックホルムのモダンで美しいギャラリーである、Liljevalchs Konstallで「実録—ダイアログにおける作られたフォーム」という展覧会でひと部屋を与えられて、実験的デザイン界からの10人の国際的な参加者として展示をしました。
3) 今までの中で、商業的なプロジェクトで何がお気に入りですか?その過程はどうでしたか、又どの位時間がかかりましたか?
「Museum of Work」での常設展示「工業国−スウェーデンが近代国家となった時」の展覧会用グラフィックワークです。それはその博物館にとって、今までで一番大きな展覧会でした。私たちの仕事は、すべてのデザイン・プログラム、マーケティング、およびインスタレーショングラフィックを含む、グラフィック・デザインでした。それはとてもやりがいのある仕事で、このプロジェクトへ私達を招いてくれた展覧会の建築家や技術者達との、綿密な共同作業でした。展覧会のテーマも、1930年から1980年のスウェーデン近代化の歴史を展示する目的で面白いものでした。
スウェーデンのMuseum of Workのための、ヒャータ・スマータのプロジェクト「工業国」
4) 得意としているのは何でしょうか?またクライアントは何故あなた方を選ぶのでしょうか?それは多分あなた方のイラストレーション、グラフィック・デザイン、そしてインスタレーションの組み合わせがユニークだからでしょうか?
それが理由かも知れません。多くの若いスウェーデンのデザイナー達も同じように3つの組合せで仕事をしています。3つの領域は解放されているのです。「工業国−スウェーデンが近代国家となった時」の展示会用グラフィックスは、イラストレーション、グラフィック・デザイン、そしてインスタレーションが役に立ち、それらが上手くミックスした例です。
私達の仕事の方法のひとつは、イラストレーションとグラフィック・デザインを組み合わせるだけではなく、表現性のあるものと機能性のあるもの、そして醜いものと美しいものを組み合わせることだと思います。私達はファンキーなタイポグラフィーも創るし、シビアなイラストレーションも創っています。
5) 今までの中で、個人的に好きなプロジェクトは何でしょうか?
私たちはクライアントおよびプライベート用に、特別なタイプフェイスをデザインしてきました。何年にも渡り継続して開発してきた、イヤリングのタイプフェイスは個人的に気に入っているプロジェクトです。去年私たちはそれを、ボールド、レギュラー、そしてライトと3つのタイプに展開することを決心しました。各文字は、実際のイヤリングからなり、単にそれらをスキャナー内に置きました。その後、コンピューターによるリタッチや操作などは一切しませんでした。ですから例えば、ボールドの大文字「A」とか、制作するためには的確なイヤリングを見つけなければなりませんでした。いままでどのプロジェクトにも、このタイプフェイスを使ったことがありませんが、将来には使ってみたいですね。
6) 現在までは、スウェーデンのクライアントのみの仕事でしょうか、それとも海外のクライアントとも仕事をしましたか?海外ではどのような分野での仕事をしたいと思いますか、又そのマーケットがあなた方にとり興味のあるものだと思いますか?
大部分はスウェーデンのクライアントです。海外の交換プロジェクトや展覧会には、部分的に加わったことはあります。数年前、北京の798 Space gallery にてのスウェーデンの展覧会「Scandinavian Sparks 」のカタログの仕事をしました。それは中国にいる間、そのカタログの一部をデザインと制作をして、その展覧会を記録するものでした。2006年には、交換プロジェクトのCivic Matters に参加しました。スウェーデン、フィンランドそしてロサンゼルスのアーティスト達と、ロサンゼルスに2週間滞在しました。
ヒャータ・スマータのデザインされた本は国際的に出版されています。
7) スウェーデンを基点にしてますね。日本では今、スウェーデンのデザインはとても人気があります。あなた方は「革新的なアイデアを伝統的方法と組み合わせる」といいっていますが、スウェーデンのクリエイティブ界における、スウェーデンの伝統的方法、また革新的なアイデアとはどういうものですか?
私達の仕事は古典的な伝統に従うものだと考えています。例えば紙質や印刷効果とか、素材を指します。古いものにインスピレーションを感じ、物事にひねりを加えるといっている私達の味を加えることを試みています。私達のイラストレーションは、スウェーデンの経済雑誌である Diegoにおけるイラストレーションのように、写真を撮り、それらをカットし、再度写真を撮るというように、主に手で作られるものです。
いくつかのプロジェクトにおいては、「醜い」または「ゴミ」でさえ、美しいデザイン作品の素材になりました。スウェーデンの電話会社「Telia 」のクリスマス・キャンペーンでは、店内装飾、テレビCF、広告およびビルボードに使用された装飾的なパターンを創るために、安物のステッカーを使用しました。私達は常に、人々が家に持って帰り保管していたいと思うような好まれるものを最終的に.創りたい、と思っています。
アートの特別作品:スウェーデンの経済雑誌「Diego」における、有名人の写真と紙幣の作品。そしてスウェーデンの最大手の電話会社「Telia」 のクリスマス・キャンペーン作品、色とりどりのスティカーのコラージュ
8) どうして日本やアジアのマーケットでの仕事に興味があるのですか?日本のどのような、伝統的または現代的なデザイナー又はデザインに、創作意欲をかき立てられますか?
日本のグラフィック・デザインやイラストレーションが好きですし、刺激されます。とても審美的で芸術的完全性を持っています。常に作品の後に「手」を感じさせるものです。視覚文化は日本文化にとり、とても社会に同化した重要な部分であるように思われます。また、スウェーデンでは不可能と思われる、ある種のクリエイティブ・デザインのクリエイティブな使用、そして文脈内におけるイラストレーションのスタイルに、刺激を受けます。
今クリエイティブ界において、アジアではエキサイティングなことがたくさん起きている時だと思いますし、その一部となることは、エキサイティングなことだと思います。ファッション・ディスプレイ用、ヒャータ・スマータの実験的コラージュとカラフルなタイプフェース
9) クリエイティブという意味では、スウェーデンと日本の間に類似点を見ることができますか?
スウェーデンと日本の間には、多くの類似点を見ることができますし、両国の相互の興味を容易に理解できます。両国共、試験的なスタイルに関わりをもっている時でさえも、伝統というものに立地しています。国際的な影響や人気ある文化でのトレンドはもとより、美学というものも両国にとっては重要と思います。スウェーデンでも、日本のように、イラストレーションは高い評価を得ており、雑誌イラストをはじめ、コマーシャルでも多く使用されています。
A! アーティストであり展覧会プロデューサーである、Ann-Sophie Axelssonのための、グラフィック・デザインのプロフィール、ロゴタイプ、文房具およびホームページ


























